住宅ローンが払えないとお悩みではないですか?任意売却とは?

最終更新:  公開:

住宅ローンを未納したらどうなるのか

日本では、「夢のマイホーム」という言葉があるくらい自分の持ち家があることがある種のステータスです。 ただ、家を買うとなると数百万〜数億円という日本国民の平均年収を大幅に超える高い買い物です。 なので、マイホームやマンションをお持ちの方のほとんどが住宅ローンを組んで住宅を購入されていると思います。

住宅ローンを未納したらどうなるのか

日本では、「夢のマイホーム」という言葉があるくらい自分の持ち家があることがある種のステータスです。 ただ、家を買うとなると数百万〜数億円という日本国民の平均年収を大幅に超える高い買い物です。 なので、マイホームやマンションをお持ちの方のほとんどが住宅ローンを組んで住宅を購入されていると思います。

ただ…。

便利に思える住宅ローンですがもし滞納を行ってしまった場合、

自分の家が自分の意思とは無関係に他人に勝手に売られてしまい、突如として住むところを失ってしまう危険性があることをご存知でしょうか?

それが、いわゆる不動産競売というものです。

「競売」という言葉だけであれば、テレビ等でなんとなく聞いたことはあるという方が多いのではないでしょうか?
住宅ローンの契約時には必ずと言っていいほどついてまわるものです。

仕組みとしては…。

住宅を購入した時に多くの場合銀行などの金融機関が提供する住宅ローンを利用することになると思います。

その時、銀行はローンの対象になる土地や建物に抵当権というものを設定します。

抵当権とは、住宅購入者がローンを返せなくなった場合に備えて、購入した土地や建物を担保に取っておくというものです。

この抵当権が付いていると、住宅ローンの滞納時には抵当権が実行されて土地や建物が不動産競売にかけられ、購入者の意思とは無関係に強制的に売りに出されるというものです(そして銀行はその売却代金から住宅ローン分を回収します)。

また、売却でローンがなくなれば、家がなくなってゼロに戻るだけですが、多くの場合はゼロどころかマイナスになるケースも多くあります。

建物は、住居年数が長ければ長いだけ価値は下がりますし、土地も現在の日本では価値が上がるのは稀なので、返済が進んでおらずローン残高が多いうちは、不動産の価値よりもローン残高の方が高くなりがちなのです(いわゆるオーバーローン)。

なので、多くの場合は家がなくなり更にはローンの残額を返済しないといけないというマイナスが残ります。

ここからは、そうなってしまう原因となりそうな時どうすればいいかをお伝えします。

住宅ローンが返せなくなる主な原因とは?

住宅ローンが返せなくなる主な理由としては、大きく分けて3つあります。

『 失業や病気で働けなくなったケース』

こちらが、おそらく一番多いケースではないでしょうか。
働けなくなったら当然収入はストップしてしまいますので、よほど潤沢な貯蓄がないかぎり毎月のローン返済が出来なくなり滞納に陥ってしまいます。

『自分の身に合わないローンを組んだため返済が追いつかないケース』

家は、一生に一度の大きな買い物です。なので、ついつい金額的に多少の無理をしてでもより良い条件の物件を購入したくなるのが人の心情だと思います。
ただ、これは今の状況で(あるいは出世して給料が上がることまで見越して)ギリギリ返していけるだろうという希望的観測の返済計画なので、実際は月々の返済で家計が苦しくなったりします。
そしてこのような限界ギリギリの設定でローンを組んでいると、想定外に子供が沢山生まれたり、急に景気が悪くなるなどの予期していなかった事態の発生ですぐに返済不可能になってしまうこともあります。

『離婚を原因にしたケース』

意外かもしれませんが、離婚がきっかけで家を手放すケースも非常に多いのです。

なぜかというと、近年は夫婦共働きという家庭が多く、これを前提として夫婦共同(連帯債務)でローンを組んでいるケースも多いです。そうすると、離婚によってこの前提が崩れるとローン計画は根底から崩れます。

もともと夫婦で(あるいは子供も含めて)居住することを想定して、広いファミリータイプの物件を購入されているでしょうから、コストも高く、離婚して単身家庭になってしまうと無駄に広くてコストばかりが高い「無用の長物」になってしまうのです。

他にも、いろいろな理由がありますが、共通して言えるのは、10年~35年という非常に長いローン返済期間の間には、想定していなかった様々な事態が起こる可能性があり、いつローンが返せなくなってしまうかわからないという点です。なので、返済計画は様々な事態を想定し、なるべく余裕をもって計画を立てておくことが必要です。

しかし、そうは言っても「様々な事態を想定し、なるべく余裕をもつ」というのは簡単ではなく、夢のマイホームを得るためにはある程度のリスクは避けがたいものです。
そこで、次の章からは、不運にもこのようなリスクが発生してしまい、もし滞納してしまった時、手遅れにならないための対策をご紹介いたします。
金融機関が不動産競売の手続きを行い始めるのは、滞納からおよそ3ヶ月〜6ヶ月と言われています。

手遅れになる前にしておくべき対策!

対策その1

行動を起こすタイミングとしてベストなのは滞納してしまいそうだと感じた時です。

このタイミングが一番問題解決しやすく様々な選択肢が選べるので、結果として家を手放さずに済む可能性が大きいです。

この段階で最初に行うこととしては金融機関に直接連絡して返済スケジュールを見直してもらうことです(返済計画のリスケジュール、俗に「リスケ」と呼ばれています)。

それにより、返済スケジュールの延長や、一定期間だけ月々の返済を減額してもらえる可能性があります。もちろん、ローンが減額になるわけではないのでその点は注意してください。これは、少しだけ月々の返済額を抑えたらきちんと返済を継続できるという時に使える方策です。

ただ、金融機関に相談しても必ず要求が通るわけではありません(金融機関にはリスケに応じる義務はありません)。

要求が通らない、また返済スケジュールを見直す程度では返済が不可能そうなら次の対策を検討してみましょう。

対策その2

リスケジュールだけは返済の継続が困難な場合に、考えられる方策は次の2つです。

小規模個人再生

まず一つは、小規模個人再生という法的な債務整理を行う方法です。裁判所に申立てて住宅ローン条項を駆使した小規模個人再生手続を行えば、住宅ローン以外の債務(借金)を大幅に減額して、資金を住宅ローンの返済に集中的に充てることが出来ますので、リスケよりも効果的に住宅ローンの返済可能性が高まります。

なお、「小規模個人再生」手続は、非常に複雑な法的手続が必要であり、利用出来る条件も複雑ですので、別の回に改めて詳しくご案内したいと思います。

土地と建物の任意売却

もう一つの方策は、土地と建物の任意売却という方法です。
任意売却は、文字通り不動産を売却してしまう方法ですので、残念ながらせっかく手に入れたマイホームはなくなってしまいます。
しかし、もはやこれ以上住宅ローンの返済が出来なくなってしまっているのですから仕方がありません。先ほど少し説明しました通り、住宅ローンが返済出来なくなってしまうと、不動産を担保に取っている金融機関に嫌でも抵当権を実行され、「不動産競売」によって強制的に売却処分されてしまうのです。

そこで、同じマイホームを手放さなくてはならないのであれば、せめて少しでも不動産を有効活用し生活の再建に役立てたい、ということで紹介したいのが、最近密かに話題になっている「任意売却」という方法です。

任意売却とは、土地と建物を売りに出す点というは不動産競売と変わりませんが、不動産競売と大きく違うのは、金融機関(裁判所)による強制的な売却処分ではなく、自ら主導して売却の手続きを行うところでしょう。

一般的に、不動産競売によって不動産が強制的に売却処分されてしまう際のデメリットとして、以下のような点が指摘されています。

不動産競売のデメリット

  • 不動産競売が行われると競売にかけられていることが、インターネットサイトなどで告知されてしまう。このため、広く社会一般に住宅ローンの返済を滞納して住宅が差し押さえされているということが知れ渡ってしまう
  • 競売物件は、ローンの返済が滞ったり、差押えられたりして強制的に売却処分される物件=トラブルを抱えた物件(ワケ有り物件)とみなされ、市場価格よりも安い金額で買い叩かれてしまうことが多い
  • 裁判所の主導のもと強制的に処分手続が進められるので、退去時期なども一方的強制的に決められ、自由に準備が出来ない
  • 落札代金(売却代金)は、債権者(抵当権者)に完全に優先的に分配され、交渉などを行う余地もない

これに比べ、「任意売却」は不動産の所有者自身が弁護士や不動産業者などの専門家のサポートを受けつつ自ら主導して不動産の売却を行うもので、以下のようなメリットがあります。

任意売却のメリット

  • 任意売却は金融機関とだけ交渉を行い、あとは通常の売買取引と同じように行う為、周囲にローンの滞納の事実などを知られることなく住宅を売却することが可能です
  • 競売とは違い、金融機関と話し合いつつ、自由に買主を探し、売却価格も通常の取引と同じように決めることができるので、納得した金額で話を進めることができます。もちろん、通常の取引と同じように商談を進めるわけですので、市場価格よりも不当に安く買い叩かれるという心配もありません!(←これが最大のメリットです)
  • 金融機関や買主との話し合いの中で、明け渡し(引越し)時期を相談することができるので、猶予をもって計画的に新しい住居へ転居することが可能です
  • また、これは金融機関との交渉次第ですが、任意売却では、本来はローンの返済分として金融機関に返済しないといけない売却代金の一部から、特別に引越費用等の生活再建のための費用の分配交渉を行う余地があります(常に必ず認められるわけではありませんが)

これらの理由から、不動産の売却を余儀なくされ、マイホームを手放さなくてはならないのであれば、不動産競売にかけられる前に任意売却をお勧めしています。

せっかく苦労して手に入れたマイホーム、手放さないで済むのが何より一番ですが、どうしても手放さざるを得ない状況に陥ってしまった場合には、せめて少しでも有利な条件で処分したいものです。

そのためにも、そして出来ればマイホームを手放さなくて済むためにも、まずは、なるべく早い段階で弁護士の無料相談を受けることをオススメします。

タイミングが遅くなればなるほど、選択肢は少なくなってしまいます。

そうなる前に是非行動を。